Aさん(80歳、女性)。
大腿骨頸部骨折のため
人工骨頭置換術を受けた。手術後14日、Aさんの経過は順調で歩行訓練を行っている。歩行による疼痛の訴えはない。現在のAさんの状態で最も注意すべきなのはどれか。
1→
術後せん妄は、術後2〜7日に好発する。
Aさんは手術後既に14日が経過しており、経過も順調で歩行訓練を行っているとの情報もある。
せん妄に注意を払うべき時期ではない。
2→術後は創部の感染徴候を観察していくが、Aさんは疼痛の訴えもなく創部の発赤や腫脹、浸出液などの感染徴候に関する情報もないため、創部感染が起こっている可能性は低い。
3→Aさんは人口骨頭置換術を行い術後14日目で、歩行訓練中である。
大腿骨人口骨頭置換術の術後に起こりやすい合併症として、
股関節脱臼がある。
転倒は
脱臼のリスクを高めるため、
脱臼予防肢位や日常生活を送る上での注意点などを指導する。
4→深部
静脈血栓は長時間の臥床などが原因となって下肢の
静脈に
血栓を生じるものである。
大腿骨頭置換術の術後は
深部静脈血栓症を合併しやすいとされるが、Aさんは既に術後14日が経過しており、歩行訓練も順調に進んでいる。
疼痛などの訴えもなく、現時点で
深部静脈血栓症のリスクは低いと考える。