産褥(さんじょく)

産褥とは、一般的に産後6〜8週間ほどの期間をいう。

傾向と対策

妊娠から出産、産褥までの流れをふまえ、産褥期ではどういうことに注意すべきか、①看護のポイントをおさらいしておこう。また、②身体的な変化が起こる時期でもあるので、日毎の経過をまとめておこう。

よくわかる解説

産褥期の看護のポイント

産褥とは、一般的に産後6〜8週間ほどの期間をいう。乳汁の分泌や後陣痛悪露の排出、子宮復古などがおこる。手足のむくみや産褥熱産褥心筋症などに注意を払う必要がある。

また、産後間もない期間では特に、精神面のケアも行う。ルービンの提唱する母親として適応していく3段階(受容期・保持期・解放期)のうち、受容期は出産後24〜48時間を指す。この時期の褥婦の関心は自分自身や基本的欲求に向けられているため、母親のニーズを満たすことが大切であるとされている。


身体的な変化

プロラクチンが乳腺を刺激して乳腺葉を発達させる。オキシトシンは乳腺筋肉を刺激して乳汁を分泌させる。乳汁分泌機能の作用により乳房の血流増加や循環不全が発生し、緊満感や熱感、疼痛などがみられる。これは産褥2~4日目頃から起こる生理的な現象である。

体温は分娩により一時的に37.0~37.5℃程度まで上昇することがあるが、通常は24時間以内に平熱に戻る。だが、分娩が終了して24時間以降~産後10日以内に、38度以上の発熱が2日以上続くこともあり、これは産褥熱といわれる。骨盤内感染が原因でおこるとされる。


産褥2~4日目頃までは血液による赤色悪露が観察される。悪露に凝血塊が混じる場合には卵膜や胎盤などの残存の可能性が疑われる。


分娩後は妊娠中と比べ一時的に尿量が増加し、一日1500〜2000mlとなることがある。

経過が順調であれば、産褥1~2日からシャワー浴が可能である。入浴は、1ヶ月健診後に問題なければ許可となる。

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