老年看護学|看護師国家試験問題|21問〜40問
第103回国家試験 午後97
次の文を読み〔午後問題97〕、〔午後問題98〕、〔午後問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(75歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS‐R〉16点、Mini‐Mental State Examination〈MMSE〉18点。
〔午後問題97〕
Aさんは、術後1日の深夜に大きな声で娘の名前を呼び「ここはどこ」と叫びながらベッド柵をたたく行動がみられた。このときに最初に行う対応として適切なのはどれか。
第114回国家試験 午後102
次の文を読み 100~102の問いに答えよ。
Aさん(80歳、女性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。半年前に軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、抗認知症薬の内服治療を開始した。要支援2の認定を受けている。
Aさんが屋内でぐったりしているのを訪問した近所の人が発見し、救急搬送された。来院時のバイタルサインは、体温36.5°C、呼吸数20/分、脈拍92/分、血圧130/82mmHgで、皮膚に軽度の発汗がみられた。頭痛や吐き気はなかった。看護師がAさんに状況を聞くと、最近は食欲がなく、食べたり飲んだりしていなかったし、昨日は排尿回数も普段より少なかったと話した。
102
入院3日。Aさんは明日の退院が決まった。看護師が朝食後に抗認知症薬の配薬に行くと、Aさんが「もう薬の時間ですか」と言った。また、自分の病室を間違えることが数回あった。
Aさんが退院後の在宅療養を継続するために、看護師が担当の介護支援専門員へ伝える情報で最も適切なのはどれか。
第104回国家試験 午前101
次の文を読み〔午前問題100〕、〔午前問題101〕、〔午前問題102〕の問いに答えよ。
Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer病で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。
〔午前問題101〕
Aさんは、誤嚥性肺炎のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はAさんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。Aさんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。Aさんの長男の妻に対する看護師の対応として最も適切なのはどれか。
第112回国家試験 午後112
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(80歳、女性)は発熱があり、呼吸状態が悪いため、外来を受診し肺炎と診断され緊急入院となった。
入院時、病室でAさんは「ここはどこ」と話し混乱した様子であった。湿性の咳嗽があり、口唇の乾燥が著明である。同居の夫からの情報では、1週間前から食事は摂れていたが、水分摂取量が減っていた。3日前から寝て過ごしていたが、トイレには自分で行くことができていた。身の回りのことは自立している。入院後に点滴静脈内注射1,500mL/日の指示があり、抗菌薬が開始された。
身体所見:身長152㎝、体重45㎏、体温38.0℃、呼吸数32/分、脈拍120/分、整、血圧107/80㎜Hg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)93%(room air)。ジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ-2。
検査所見:赤血球417万/μL、Hb12.5g/dL、白血球16,600//μL、総蛋白6.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、血糖98mg/dL、Na151mEq/L、K4.0mEq/L、Cl97mEq/L、Ca8.7mg/dL、CRP23.0mg/dL。
問題112
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 午後87
高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。
第108回国家試験 午前72
Aさん(77歳、男性)は、脳梗塞による左片麻痺があり、右膝の痛みにより立位が困難である。端坐位で殿部をわずかに持ち上げることはできる。妻(77歳)は小柄で、体格差のある夫の移乗の介助に負担を感じている。
Aさんのベッドから車椅子への移乗の際、妻の介護負担を軽減する福祉用具で適切なのはどれか。
第113回国家試験 午前101
次の文を読み 100~102の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は夫(68歳)と2人で暮らしている。BMI26で左股関節の変形性関節症のため関節可動域の制限と疼痛があり、外出時はT字杖を使用している。症状が強いときに消炎鎮痛薬を服用しているが、日常生活動作は自立している。
Aさんは過去に転倒したことはないが、左右の下肢の差が3cmあり、立ち上がるときにふらつくことがある。自宅で座って過ごす時間が長い。Aさんは定期受診のため夫に付き添われて外来を受診した。
101
外来で、診察終了後にAさんから「少し話がある」と言われた女性のB看護師は、空いている診察室で面談した。Aさんから「男性の医師には聞けなかったのですが、性交はやめておいた方がよいでしょうか。股関節の痛みが強くなることはないのですが、夫も心配していました」と相談があった。
このときのB看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
第112回国家試験 午後98
次の文章を読み97~99の問いに答えよ
Aさん(75歳、男性)は1人暮らしで、妻とは5年前に死別し子どもはいない。57歳のときに慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉と診断された。他に既往はない。20歳から喫煙していたが、今は禁煙している。エレベーターのないアパートの4階に住んでおり、家事動作に息苦しさが出現することがあったが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。妻が亡くなってからは食事が不規則になり、インスタント食品ばかり食べていた。入浴はせず週に1回シャワーを浴びていた。
1週間前から日常生活動作〈ADL〉でも、息苦しさが増強し、食欲がなく、ほとんど食事をしていなかったが、ジュースを500ⅿL/日は飲んでいた。昨日の夕方に37.8℃の発熱があったため、本日かかりつけの病院を受診した。
受診時の身体所見:体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍94/分、整、血圧138/88㎜Hg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)82%(room air)。
動脈血液ガス分析(room air):動脈血酸素分圧〈㎩O₂〉45Torr、動脈血二酸化炭素分圧〈㎩CO₂〉58Torr。
検査所見:赤血球420万/μL、ℍb10.3g/dl、白血球9,500/μL、総蛋白9.5g/dl、アルブミン3.4g/dl、空腹時血糖98㎎/dl、CRP10.1㎎/dl。
医師の診察の結果、Aさんは慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の急性増悪と診断された。
問題98
Aさんは入院し、抗菌薬の点滴静脈内注射と酸素投与が開始された。病棟内の歩行の許可が出て、食事も全粥を半分程度は食べることができた。Aさんに起こりうる症状で最も注意が必要なのはどれか。
第102回国家試験 午前61
ハヴィガースト、R.J. の老年期における発達課題として正しいのはどれか。
第113回国家試験 午後88
高齢者の基本的日常生活動作 〈BADL〉で評価する内容はどれか。2つ選べ。
第111回国家試験 午前99
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症と心不全と診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:
意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。
体温 37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧 164/96 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
問題99
入院後10日。入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋
ねてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
第108回国家試験 午前100
(次の文を読み100、101、102の問いに答えよ。)
Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。
身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度SpO297%。意識レベル清明。
検査所見:Hb 6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、ASTGOT45IU/LU/L、ASTGOT60IU/LU/L、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L。
(第 100 問)
Aさんは全身の衰弱がみられるものの、Aさんの希望で病室のトイレには歩いて行くことになった。看護師は、Aさんは転倒するリスクが高いと判断した。
Aさんの転倒要因はどれか。2つ選べ。
第113回国家試験 午後97
次の文を読み 97~99 の問いに答えよ。
Aさん (71歳女性)は夫と10年前に死別し、1人で暮らしている。息子は結婚して他県に住んでいる。Aさんは、3か月前に脳梗塞を発症して要介護1となり、介護老人保健施設に入所した。
Aさんは老人性白内障があるが ADLに支障はなく、認知機能やコミュニケーションに問題はない。 食事は自力で摂取できる。紅茶が好きで、毎日カップ2、3杯は飲んでいる。我慢できない強い尿意があり尿が漏れてしまうため、下着に尿取りパッドを付けている。トイレには自力で移動でき、下着やズボンの上げ下ろしは自立している。排便は2日に1回である。
Aさんの尿失禁の種類で考えられるのはどれか。
第108回国家試験 午前118
(次の文を読み118、119、120の問いに答えよ。)
Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。
(第118問)
入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
第108回国家試験 午前58
Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。
Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。
第103回国家試験 午前56
Aさん(75歳、男性)は、1人で暮らしている。Aさんは、耳鳴が気になり耳鼻科を受診したところ、老人性難聴と診断された。Aさんは、医師から補聴器の使用を勧められたが「どうせ1人で誰とも話さないから必要ない。生活していて不便なことはない」と言う。Aさんへの説明として適切なのはどれか。
第106回国家試験 午後96
次の文を読み〔問題94〕、〔問題95〕、〔問題96〕の問いに答えよ。
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。既往歴:5年前に大腿骨骨折。現病歴:2年前にAlzheimer病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
〔問題96〕
入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。
第111回国家試験 午前53
介護保険制度における施設サービスはどれか。
第107回国家試験 午後120
次の文を読み〔問題120〕の問いに答えよ。
Aさん(82歳、男性)。長男夫婦との3人暮らし。4年前に認知症と診断された。Barthel〈バーセル〉インデックスは100点、Mini Mental State Examination〈MMSE〉は18点。環境の変化で落ち着きがなくなることがある。日頃は温泉旅行やカラオケを楽しんでいる。右外果にできた創傷から右下腿の腫脹と疼痛が出現したため病院を受診したところ、蜂窩織炎と診断されて入院した。入院翌日、右下腿の腫脹と疼痛は続いている。担当看護師は、認知症の行動・心理症状〈BPSD〉を最小限にするための看護を計画することとした。
〔問題120〕
担当看護師が計画するAさんへの看護で適切でないのはどれか。
第104回国家試験 午前56
Aさん(88歳、女性)は、中等度の認知症である。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。Aさんに入浴を勧めるとAさんは「風呂なんて嫌だ」と強い口調で言い、理由を聞いても話さない。このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。