在宅看護論|看護師国家試験問題|41問〜60問
第102回国家試験 午前106
次の文を読み〔午前問題106〕、〔午前問題107〕、〔午前問題108〕の問いに答えよ。
Aさん(48歳、女性)は、重症筋無力症を5年前に発症し、初期から副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、眼瞼下垂、複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは訪問看護のみを利用している。
〔午前問題106〕
Aさんは「最近、口の中が痛いし、食事もおいしくない」と言う。口角に発赤があり、舌、上口蓋および頬粘膜に白色のものが付着して、その一部に出血がみられる。Aさんの症状の原因として最も可能性が高いのはどれか。
第103回国家試験 午後116
次の文を読み〔午後問題115〕、〔午後問題116〕、〔午後問題117〕の問いに答えよ。
Aちゃん(2歳4か月、女児)は、母と会社員の父と3人で暮らしている。Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。3か月前に、誤嚥性肺炎を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)を所持している。
〔午後問題116〕
Aちゃんの家族への指導は順調に行われ退院することになった。Aちゃんの退院に向けて訪問看護師が連携をとる職種はどれか。
第101回国家試験 午前96
次の文を読み〔午前問題94〕、〔午前問題95〕、〔午前問題96〕の問いに答えよ。
Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
〔午前問題96〕
Aさんは現在、在宅酸素療法2L/分に加えて定期薬としてオキシコドン塩酸塩水和物徐放薬10mgを1日2回内服し、臨時追加薬としてオキシコドン塩酸塩水和物を使用している。訪問看護師がAさんに対して行う疼痛管理の指導として適切なのはどれか。
第107回国家試験 午前63
要介護2と認定された高齢者の在宅療養支援において、支援に関与する者とその役割の組合せで適切なのはどれか。
第111回国家試験 午前116
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にパーキンソン病と診断され、レボドパを1日3回内服している。ホーエン・ヤール重症度分類のステージIII、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパを1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。
問題116
1か月後の外来受診のときに、Aさんは「いつもと違う時間に入浴したら転んでしまった。怪我をしなくてよかった」と主治医に話した。主治医から勧められ、Aさんは訪問看護を週に1回利用することになった。
今後Aさんが安全な入浴をするために訪問看護師がアセスメントする内容で最も優先するのはどれか。
第102回国家試験 午後57
Aさんは、要介護2で在宅療養をしている。仙骨部に2cm×3cmの水疱を形成した。この1週間、臥床していることが多くなり、食事摂取量も減ってきている。訪問看護師がAさんの家族に行う提案として適切なのはどれか。
第110回国家試験 午後116
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。
退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
問題116
退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。
訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。
第107回国家試験 午後114
次の文を読み〔問題112〕、〔問題113〕、〔問題114〕の問いに答えよ。
Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にパーキンソン病と診断された。現在、ホーエン・ヤールの重症度分類でステージⅢ、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。
〔問題114〕
Aさんは「病気になる前は夫と近くの公園を毎日散歩していたけれど、最近は通院以外に外出をしていません。以前のように、夫と近くの公園を散歩したいな」と訪問看護師に話した。Aさんへの提案で最も適切なのはどれか。
第104回国家試験 午前115
次の文を読み〔午前問題115〕、〔午前問題116〕、〔午前問題117〕の問いに答えよ。
Aさん(14歳、男子、中学生)は、両親と弟(7歳)との4人で暮らしている。Duchenne型筋ジストロフィーで2年前に誤嚥性肺炎を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。Aさんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。Aさんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。
〔午前問題115〕
Aさんと両親への呼吸管理の説明で最も適切なのはどれか。
第101回国家試験 午前91
次の文を読み〔午前問題91〕、〔午前問題92〕、〔午前問題93〕の問いに答えよ。
Aさん(88歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で、要介護5の認定を受けている。Aさんは意思を明確に表出できない。63歳の娘が介護を行っている。娘が食事形態を工夫して摂食の援助を行ってきたが、これまでにAさんは2回の誤嚥性肺炎を起こしている。今回、3回目の誤嚥性肺炎で入院し、低栄養状態を改善するための栄養管理方法の1つとして、医師が娘に胃瘻の造設を提案した。
〔午前問題91〕
胃瘻について説明を受けた娘は、「父は管を入れてまで生きたくないと日頃から言っていたので、胃瘻にはしたくありません」と言った。看護師の言葉で適切なのはどれか。
第101回国家試験 午後92
次の文を読み〔午後問題91〕、〔午後問題92〕、〔午後問題93〕の問いに答えよ。
Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断された。
〔午後問題92〕
退院後6か月が経過した。Aさんは、上肢の運動障害に加え、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった球麻痺症状が出現してきた。歩行は自立している。Aさんは、介護保険の申請をし、要介護1に認定された。Aさんが、この時点で利用できる介護サービスで適切なのはどれか。1つ選べ。※不適切問題(厚生労働省より「2つ選べ」という設問に対して正解が1つしかないと発表された)
第112回国家試験 午後116
次の文を読み 115〜117 の問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性、自営業)は妻(48歳)、長男(23歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作(ADL)は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。
問題116
1か月後の定期受診のときに、Aさんは「長男に私の病名と遺伝性の疾患であることを伝えました。長男は何も症状はありませんが、発症前診断を受けて欲しいと思っています」と外来の看護師に話した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
第104回国家試験 午後69
Aさん(80歳、女性)は、1人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、2週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。Aさんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。
第101回国家試験 午後51
意識レベルが低下した片麻痺の患者の口腔ケアを在宅で実施する家族への説明で正しいのはどれか。
第113回国家試験 午前115
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(87歳、女性、要介護1)は1人暮らしで、長女(52歳、会社員)が同じマンションの隣の部屋に住んでいる。5年前に乳癌のため左乳房切除術を受けた。1年前に肺への転移が確認され、胸水の貯留への対症療法のため入退院を繰り返していた。
退院後は、状態観察と体調管理のため大学病院の外来を月に2回受診し、訪間介護と訪問看護を週に1回ずつ利用して在宅療養を続け「これ以上の積極的な治療はせずに自宅で最期まで過ごしたい」と話している。
ある日、長女から「最近、母は通院がつらそうで、先月は1回しか受診していません。医師の診察は大事だと思うので、受診を続けるために主治医に何を相談すればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
長女への助言で適切なのはどれか。
第102回国家試験 午後101
次の文を読み〔午後問題100〕、〔午後問題101〕、〔午後問題102〕の問いに答えよ。
Aさん(55歳、女性)は、昨年10月に腹痛と腹部膨満のため受診し、膵癌、腹膜播種と診断された。手術の適応はなく、化学療法を受けていた。今回、腹水貯留があり経口摂取量も減少したため入院した。排泄は自立しているが、臥床していることが多い。事務職員をしていたが、現在は休職中である。夫とは離婚し25歳の長女と2人で暮らしている。23歳の長男は結婚し、遠方で暮らしている。今回の入院時から積極的治療が困難であることは、Aさんと長女へ医師から説明され、Aさんは自宅での療養を希望している。長女は就労しているため、あまり来院していない。
〔午後問題101〕
退院後、介護支援専門員、訪問看護師、在宅療養の主治医および訪問介護事業所管理者がAさんの自宅に集まり、Aさんと長女が同席し、サービス担当者会議を開催した。Aさんは「おなかが張ってあまり食べられないけれど、家で過ごせるようになってうれしいです」と話した。訪問看護師が、会議で発言する内容で優先度が高いのはどれか。
第104回国家試験 午前71
Aさん(52歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。妻は末期の肺癌で、今朝自宅で亡くなった。主治医が死亡診断を行った後のAさんへの訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第103回国家試験 午前73
訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。
第101回国家試験 午前48
胃瘻からの経管経腸栄養法を開始した在宅患者の家族に対する説明で正しいのはどれか。
第113回国家試験 午後69
A さん (65歳 男性) はうっ血性心不全の急性増悪で入院し、治療を受けて自宅に退院した。 退院後は月1回の外来通院、 週1回の訪問看護で生活指導を受け、血圧、体重、 労作時の自覚症状について日誌に記録することになった。 初回訪問時、さんは訪問看護師に 「庭で野菜を作るのが趣味です。 野菜作りの作業をしていると夢中になって時間を忘れてしまいます」と話した。
訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。