第113回看護師国家試験 午後59

1→エストロゲンは骨の代謝に関与しており、その分泌が減少すると骨の吸収が促進され、骨量が減少することが知られています。閉経によるエストロゲンの低下は骨粗しょう症のリスクを高め、骨折の原因となり得ます。したがって、骨量が増加するのはエストロゲンの低下とは逆の効果です。

2→エストロゲンは膣粘膜の健康と厚みを維持するのに必要なホルモンです。閉経後のエストロゲンの低下は膣粘膜の萎縮をもたらし、膣の乾燥、かゆみ、性交時の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。この選択肢が正解です。

3→エストロゲンは血管を拡張させる効果がありますが、閉経によるエストロゲンの減少は血管機能に複数の影響を及ぼす可能性があります。ただし、エストロゲンの低下が直接脳血流量の増加に結びつくとは限らず、この選択肢は一般的な影響としては考えにくいです。

4→エストロゲンには血中のLDL（悪玉コレステロール）を減少させる役割があります。閉経後のエストロゲンの減少は、LDLコレステロールの増加を招くことが一般的です。したがって、エストロゲンの低下が血中のLDLコレステロールを減少させるというのは正しくない選択肢です。