Aちゃん (3歳) は、 両親 (外国籍)と3人で暮らしている。 来日して1か月が経った。 2日前に急性胃腸炎で個室に
入院した。 症状が改善し、経口での食事を再開することになった。 看護師が訪室すると、香辛料の香りが部屋に充満しており、唐辛子の入った肉などのたくさんの料理が並べられていた。母親は看護師に気付くと 「Aは日本食には慣れておらず、食べられないので家で作ってきました」と話した。
このときの母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
1→Aちゃんが普段慣れ親しんだ食事をしていることは、回復において重要な要素です。普段の食事内容を把握することにより、Aちゃんが食べられる食事を提供するための情報を得ることができ、個々の患者の文化的背景に配慮したケアにつながります。したがって、この選択肢は母親に対して適切な対応と言えます。
2→このように強硬に食事の持ち込みを制限することは、患者や家族の気持ちを考慮に入れておらず、信頼関係の構築や文化的背景への尊重が欠けています。栄養指導は大切ですが、それを受ける前にさまざまな選択肢を検討すべきです。
3→急性胃腸炎で回復期にある患者に大量の食事をとらせることは、消化器系への負担を考えると適切ではありません。食事は患者の状態に合わせて少しずつ量を増やしていくことが大切です。また、唐辛子などの強い刺激物は消化器官に良くない影響を与えることがあります。
4→病院食の完食を条件に持ち込み食の摂取を禁止することは患者や家族の意志を尊重していないため適切ではありません。文化的な食習慣にも配慮し、患者が食べやすい食事を提供する方法を検討すべきです。また、日本食に慣れていないことから病院食を完食できないことも考えられます。