次の文を読み112、113、114の問いに答えよ。
Aさん(40歳、男性、会社員)は、
うつ病と診断されていた。最近、仕事がうまくいかず、大きなミスを起こし、会社に損失を与えたことから自分を責め不眠となり、体重が減少した。ある朝、リビングの床で寝ているAさんを妻が発見し、大きな声で呼びかけたところ、Aさんは1度目を開けたが、すぐ目を閉じてしまった。ごみ箱に、からになった薬の袋が大量に捨ててあり、机には遺書があった。救急搬送後、意識が清明となり、身体的問題がないため精神科病院に
入院となった。
第 112 問
入院時の看護師のAさんに対する関わりで適切なのはどれか。
1→一度
自殺を図った人が再度
自殺を図る可能性は高いため、
希死念慮の有無を確認するのは
自殺企図を防止するためにも必要である。
もし
希死念慮がある場合には、計画の具体性などを聴取して切迫度の確認を実施する。
2→
うつ病によって起こる
希死念慮は病的なものであり、絶望感を伴う極度の孤立感や無価値観などの感情により心理的狭窄状態になる。
一方で
自殺に対する恐怖や生きたいという気持ちもあるため、命を大切にしたほうがよいという一般論ではAさんの気持ちはおさまらないと考えられる。
3→
うつ病患者の急性期において叱咤激励を行うのはさらに患者を追い詰める結果につながるため
禁忌である。
4→
うつ病は重症になると
罪業妄想が出現することがあり、自分の存在が家族にも周囲の人にも迷惑を掛けていると思い込むようになる。
声掛けが患者にとってさらなる負担になる可能性もあるため、最優先される関わりではない。