Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。
バイタルサインは安定しているが、
スタンフォード分類B型の
急性大動脈解離と診断され、医師から手術を勧められた。
治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。
1→
急性大動脈解離には2つの型があり、解離が上行
大動脈に進展するスタンフォードA型と、上行
大動脈までは進展しないスタンフォードB型に分類される。
A型は緊急手術が必要であるが、B型はA型ほどの緊急性はなく、安静と
薬物療法を基本とし、場合によっては手術が適応となる。
Aさんは治療の選択で迷っているという記載があることから、Aさん自身が置かれている状況をどのように理解しているのかをまずは確認して、患者個人にとってよりよい選択は何なのかを患者と共に考えることが看護師の役割の一つである。
2→医師の説明をどの程度理解できたか、Aさん自身はどのように考えているか、ということを確認せずに看護師が特定の治療法を勧めるのは不適切である。
患者自身が納得して手術の判断が出来るように支援していくことが大切である。
3→医師に言われたとおりの治療を勧めるだけはなく、患者自身が自分の置かれた状況と治療内容を理解し、治療法を選択することが重要である。
4→緊急度が高くても患者に迷いや理解不足がある状態で治療の選択を迫ったりするのは適切ではない。
また、Aさんは
コミュニケーションがしっかりと取れる状態で、迷いがあると言っていることから、説明を省略するべきではない。