腸閉塞（ちょうへいそく）
腸閉塞は、様々な原因によって腸管が閉塞し、正しく機能しない状態のことを指す。
傾向と対策
「腸閉塞」と「イレウス」の①違いを確認しておこう。そのほか、腸閉塞の②主な症状や③原因について問われているので、おさえておこう。また、腸閉塞のアセスメントとして、④腹部エックス線写真が過去に出題されているので、判別できるようにしておこう。
よくわかる解説
「腸閉塞」と「イレウス」の違い
「腸閉塞」は腸管内腔が閉塞する状態のことで、「イレウス」は「腸管麻痺」によって腸管蠕動が低下する状態のこと。
日本では従来、腸閉塞とイレウスは同じ病態として捉えられてきた。しかし、2015年の『急性腹症診療ガイドライン』で、「腸閉塞」と「イレウス」を使い分けることが提案された。以来、腸管が機械的/物理的に閉塞した場合を「腸閉塞」とし、麻痺性の場合を「イレウス」と呼ぶことになっている（従来は「絞扼性イレウス」と言われていたものが、現在では「絞扼性腸閉塞」と呼ばれている）。
主な症状
腸閉塞は腸管がふさがれた状態であり、それに伴って腹痛や嘔吐などが生じる病態である。
腹痛は、臍部を中心とした腹痛が間欠的もしくは持続的に始まり、その後腹部全体に及ぶ。嘔気・嘔吐を伴うのが腸閉塞の腹痛の特徴といえる。
原因
腸管手術後、腸閉塞は早期から起こりやすい合併症である。ただし、術後２～３日までは、腸蠕動は低下しやすいので、腸蠕動だけでなく腹痛の有無など他の所見も合わせての観察が必要となる。
そのほか、腸捻転など、腸管の絞扼・捻転によっても腸閉塞が起こる。
腹部エックス線写真
腸閉塞では、腸管の中で閉塞により詰まった内容物が空気と液体に分離する為、立位腹部エックス線画像にて、境界線が水平線の様に見える鏡面像(二ボー像)が確認される。
「二ボー像」をGoogle画像検索
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