老年看護学|看護師国家試験問題|141問〜160問
第104回国家試験 午前97
次の文を読み〔午前問題97〕、〔午前問題98〕、〔午前問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。
〔午前問題97〕
Aさんは看護師に「頭がふわふわして歩けない。めまいもする。昨日の夜から気持ちが悪くなり、朝までに2、3回吐いた。体に力が入らない」と話した。Aさんの脱水症について追加で情報収集すべき内容で最も適切なのはどれか。
第110回国家試験 午後97
次の文を読み 97~99 の問いに答えよ。
Aさん(75 歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症の内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作(ADL)は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。
近所に住む長女が時々、A さんの様子を見に来ていた。
ある日、A さんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折と診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。
問題97
手術前オリエンテーションの際の看護師の説明内容で適切なのはどれか。
第101回国家試験 午後100
次の文を読み〔午後問題100〕、〔午後問題101〕、〔午後問題102〕の問いに答えよ。
Aさん(82歳、男性)は、4年前にアルツハイマー型認知症の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
〔午後問題100〕
Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。体温36.1℃、脈拍120/分、血圧86/50mmHg、呼吸数40/分であった。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。
第103回国家試験 午前99
次の文を読み〔午前問題97〕、〔午前問題98〕、〔午前問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。Aさんは1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住むAさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
〔午前問題99〕
入院後1か月、Aさんは内服治療により病棟内での活動範囲が拡大し、自立してできることが増えた。自宅へ退院することが方針として決まったが、Aさんは「家に帰っても1人だし、大丈夫かしら」と看護師に話す。このときのAさんへの声かけで適切なのはどれか。
第106回国家試験 午後96
次の文を読み〔問題94〕、〔問題95〕、〔問題96〕の問いに答えよ。
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。既往歴:5年前に大腿骨骨折。現病歴:2年前にAlzheimer病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
〔問題96〕
入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。
第105回国家試験 午後49
Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。Aさんの症状で正しいのはどれか。
第108回国家試験 午後99
次の文を読み97、98、99の問いに答えよ。
Aさん(82歳、女性)は、アルツハイマー型認知症で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護認知症高齢者グループホームに入所している。息子は仕事が忙しいため、2か月に1回面会に来所する。Aさんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。Aさんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。
身体所見:体温37.0℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8kg。
検査所見:Ht 40%、白血球9,800/μL、尿素窒素25mg/dL。Na 150mEq/L、尿比重1.030。
第 99 問
入院後3日。Aさんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。Aさんは自ら水分を摂ることはなかったが、看護師がお茶を勧めると、少量ずつ摂取している。体重47kg。Aさんの尿の性状は淡黄色で尿臭はなく、血液検査データは改善して基準値となったため、点滴静脈内注射が中止となり、退院が決まった。
Aさんが外来受診時と同じ状態を起こさないために、看護師が介護職員に伝える予防策で適切なのはどれか。【出題108回:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書にあわせて改変】
第103回国家試験 午前56
Aさん(75歳、男性)は、1人で暮らしている。Aさんは、耳鳴が気になり耳鼻科を受診したところ、老人性難聴と診断された。Aさんは、医師から補聴器の使用を勧められたが「どうせ1人で誰とも話さないから必要ない。生活していて不便なことはない」と言う。Aさんへの説明として適切なのはどれか。
第101回国家試験 午前58
人口の高齢化に関連した指標の説明で正しいのはどれか。
第106回国家試験 午前118
次の文を読み118、119の問いに答えよ。
Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。
〔問題118〕
Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。
第101回国家試験 午後103
次の文を読み〔午後問題103〕、〔午後問題104〕、〔午後問題105〕の問いに答えよ。
Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中の後遺症で左片麻痺がある。肺炎をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。
〔午後問題103〕
Aさんは「1人で死ぬのは寂しい」と看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第110回国家試験 午前102
次の文を読み100~102 の問いに答えよ。
Aさん(77歳、男性)は、妻(79歳)と2人暮らし。5年前にアルツハイマー型認知症と診断された。現在のMMSEは18点。
家では、食事は準備すれば自分で採取できる。排泄は尿意や便意ともにあり、トイレで排泄できる。入浴は妻の介助でシャワー浴を行っているが、機嫌が態いと「うるさい」と怒鳴り、介助を拒否する。Aさんはにぎやかな場所が苦手であり、また、時々1人で外に出て行ってしまい家に帰れなくなることある。
最近、Aさんが妻の介助を激しく拒否し大声で怒鳴ることが多くなってきたため、妻は介護支援専門員に相談した。相談の結果、妻の介護負担を軽減する目的で、Aさんは通所介護を利用することになった。
問題102
入浴の時間になり、Aさんは浴槽を見て「あれは、何?」と興味を示したが、介護職員が入浴を勧めると「今日はやめておく」と言う。看護師が再度入浴を勧めると、Aさんは「今日は忙しくて時間がない」と答えている。
Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第105回国家試験 午後99
次の文を読み〔問題97〕、〔問題98〕、〔問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。
〔問題99〕
Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第113回国家試験 午前53
A さん (92歳、女性) は重度の障害のため体を動かすことができないが、表情などで意思表示はできる。 Aさんは食べることが好きで「最期まで口から食べたい」
と言っていた。 最近は誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しており、現在は入院中で終末期である。 同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。家族への退院時の指導で適切なのはどれか。
第108回国家試験 午前72
Aさん(77歳、男性)は、脳梗塞による左片麻痺があり、右膝の痛みにより立位が困難である。端坐位で殿部をわずかに持ち上げることはできる。妻(77歳)は小柄で、体格差のある夫の移乗の介助に負担を感じている。
Aさんのベッドから車椅子への移乗の際、妻の介護負担を軽減する福祉用具で適切なのはどれか。
第111回国家試験 午後97
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(82 歳、女性)は息子(57 歳、会社員)と息子の妻(55 歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にアルツハイマー型認知症と診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準 IⅡb、要介護2である。 Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作(ADL)を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。
問題97
看護師からAさんに施設について説明したが、その後もAさんは「ここはどこ」と繰り返し聞いていた。息子の妻は「私がやらなければいけないことは何ですか」と聞いてきた。息子の妻に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第106回国家試験 午後94
次の文を読み〔問題94〕、〔問題95〕、〔問題96〕の問いに答えよ。
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。既往歴:5年前に大腿骨骨折。現病歴:2年前にAlzheimer病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
〔問題94〕
入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。このときの看護で最も適切なのはどれか。
第103回国家試験 午前98
次の文を読み〔午前問題97〕、〔午前問題98〕、〔午前問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。Aさんは1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住むAさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
〔午前問題98〕
入院後1週間、Aさんの脱水状態は改善したが臥床していることが多い。Aさんは排泄時、手すりを使用してトイレまで歩行しているが、着脱動作が緩慢で失禁することが多い。Aさんへの排泄援助として最も適切なのはどれか。
第104回国家試験 午後97
次の文を読み〔午後問題97〕、〔午後問題98〕、〔午後問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。
〔午後問題97〕
Aさんの骨粗鬆症の要因として最も考えられるのはどれか。
第114回国家試験 午後100
次の文を読み 100~102の問いに答えよ。
Aさん(80歳、女性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。半年前に軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、抗認知症薬の内服治療を開始した。要支援2の認定を受けている。
Aさんが屋内でぐったりしているのを訪問した近所の人が発見し、救急搬送された。来院時のバイタルサインは、体温36.5°C、呼吸数20/分、脈拍92/分、血圧130/82mmHgで、皮膚に軽度の発汗がみられた。頭痛や吐き気はなかった。看護師がAさんに状況を聞くと、最近は食欲がなく、食べたり飲んだりしていなかったし、昨日は排尿回数も普段より少なかったと話した。
100
このときに看護師が追加で収集する情報で優先度が高いのはどれか。