Aさん (55歳、男性、会社員)は30年の喫煙歴がある。会社の
健康診断で
高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
Aさんの
自己効力感を高める支援はどれか。2つ選べ。
1→この選択肢は
自己効力感を高める支援の一つです。
自己効力感は個人が自らの行動を管理し、特定の行動を行い続けるための信念の度合いを言います。Aさんのこれまでの努力に注目し、それを評価することで、Aさんは自分の行動が認められていると感じ、さらに生活習慣の改善に向けた行動を取り続ける自信が高まるでしょう。
2→この選択肢は直接的にAさんの
自己効力感を高めるものではありません。職場の状況がAさんの健康に影響を与えている可能性は考えられますが、配置転換の依頼はAさんが自分で生活改善を行うための自信に対しては直接的な効果をもたらさないことが多いです。また、Aさんの同意なしに上司に話を進めることはプライバシーの侵害であり、信頼関係を損なう恐れもあります。
3→この選択肢は
自己効力感を高めるための効果的な支援です。実現可能な小さな目標を一緒に設定することで、Aさんは改善への取り組みを段階的かつ達成可能と感じるようになり、自分で目標を達成することへの自信が高まります。この過程で達成した目標に対するフィードバックを通して、Aさんの
自己効力感をさらに高めることができます。
4→この選択肢はAさんを支援する姿勢としては受け身であり、
自己効力感の向上を直接促すものではありません。生活習慣の改善に必要なのは能動的なアプローチです。Aさんが自ら行動を開始するための支援を受けることが重要です。
5→この選択肢は健康教育の一環として重要ですが、
自己効力感を直接高めるものではないため、この質問の文脈では不適切です。危険性の説明は意識向上に寄与する可能性はありますが、それだけではAさんが実際に行動を変えるための自信が高まるわけではありません。寧ろ、恐怖を感じさせて無力感を強める結果になることもあります。