Aさん(60歳、男性)は、
統合失調症で20年前から
抗精神病薬を服用している。常に口を動かしているため、何か食べていないか看護師が口の中を確認するが、何も口には入っていない。Aさんは「勝手に口と舌が動いてしまう」と言う。Aさんに現れている症状はどれか。
1→
被害妄想とは
統合失調症の症状のひとつで、他者の行為が自分に関係していると捉えるものである。監視されているという
注察妄想、追われているという
追跡妄想、食べ物などに毒を入れられているなどの
被毒妄想など様々なものがある。
2→作為体験とは
統合失調症の症状のひとつで、自分の考えや行動が他者に操られ操作されていると感じる体験のことをいう。
3→
カタレプシーは、
統合失調症の症状の一つである。意志の発動性の低下によって、外界からの影響や暗示の影響を受け、誰かに一定の姿勢をとらせられると、そのままの状態をとり続けることである。
4→
遅発性ジスキネジアとは、
抗精神病薬の長期的な内服の副作用である。自分では止めることができず、止めたとしてもすぐに出現する不随意な運動のことをいう。口周辺の症状が著明で、舌を左右に動かす、口をモグモグ動かす、繰り返し唇をすぼめるなどの症状がみられる。
5→
静座不能は
抗精神病薬の副作用である。足がむずむずする、じっとすることができないなどの自覚症状があり、落ち着きなく歩き回ったり、その場で足踏みを続けたりなどする。身体を動かさずにじっとしていることが不可能な状態となる症状である。