Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害で
入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口調で抵抗した。この日、主治医は不在であった。Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
1→患者本人の発言を認めず否定するような対応は望ましくない。信頼関係の構築が困難な境界性パーソナリティ障害患者には適さない。
自分の憶測で返答せずに、主治医に確認するべきである。
2→看護師が代わりに指示をすることはできない。また、この表現では患者を刺激してしまい、対人関係に稚拙さを持つことの多い境界性パーソナリティ障害患者に対しての返答としては適さない。
3→患者を刺激し、ますます攻撃的にさせてしまう恐れのある対応で、適していない。
退院は医師の指示によるもので、看護師が指示することはできない。
4→患者の主張を否定せず、医師への確認という看護師としての責任も果たし、かつ安全を保てるように爪切りは現時点ではこちらで預かるという行動は、適切な対応だと言える。