第113回看護師国家試験 午前5

1→オタワ憲章は、健康増進に関する国際的な合意文書であり、被験者の権利よりも公衆衛生の改善に焦点を当てています。臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているわけではないため、この選択肢は不正解です。

2→リスボン宣言は、国際医師会が採択した倫理的な宣言であり、患者の権利に関する事項を明記していますが、これは主に医療の実践に焦点を当てた内容であり、臨床研究の被験者の権利を直接優先することを提唱しているものではありません。そのため、この選択肢も不正解です。

3→ジュネーブ宣言は、医師の倫理規範を定めた文書であり、医師と患者との関係や、医師の職業的行為の倫理についての宣言です。被験者保護について具体的に提唱するものではなく、主に医師の職務における倫理的指針を定めているため、不正解です。

4→ヘルシンキ宣言は、世界医師会が制定した臨床研究の倫理指針であり、被験者の保護を最優先事項として提唱しています。この宣言は、被験者の同意、安全性、プライバシーの保護など、臨床研究における倫理的な基準を定めており、医療研究の倫理性を保障するための重要な指標とされています。よって、選択肢4が正解です。