1→髄鞘は
活動電位の発生頻度に直接的な影響を与えるものではありません。
活動電位の発生頻度は、
神経細胞への入力の強さや頻度によって決定されます。髄鞘の有無による生理的な変化とは別の要素です。
2→
活動電位のピークの高さは、イオンチャネルの開閉とイオンの濃度勾配によって決定されます。髄鞘の存在は活動伝導の効率を高めることには寄与しますが、
活動電位のピークの高さを変化させるものではありません。
3→髄鞘は、シュワン細胞またはオリゴデンドロサイトによって作られる絶縁物質で、神経線維を包みます。その主な機能は
活動電位の伝導速度を速くすることです。髄鞘は、ノード間の電気信号をジャンプさせる(塩分浸透による伝導)ことで、神経線維の伝導速度を大幅に高めます。したがって、選択肢3が正解です。
4→神経の髄鞘は絶縁材のような働きをしていますが、これは隣接する神経線維への
活動電位の伝播を防ぐことではなく、むしろ同一の神経線維上での
活動電位の伝導を、正確かつ迅速に行うためです。
神経細胞間での信号の誤伝導はシナプスにおける化学伝達物質の放出と受容によって厳密に制御されています。