1→アタッチメント理論において、乳児は約6~7ヶ月頃から「人見知り」するようになると考えられています。これは、特定の人物、特に主な世話をしている人〔通常は母親〕への愛着が発達する過程で現れる行動であり、知らない人に対して警戒心を示します。乳児に特定の愛着対象が明確になるこの時期を、ボウルビィはアタッチメントの形成における重要な段階として強調しています。選択肢1が正解です。
2→安全基地の概念は、ボウルビィのアタッチメント理論において重要な概念の一つですが、この記述は不正確です。「安全基地」とは、子どもが愛着対象との関係を基盤にして新しい環境や未知の状況に自信を持って探索できるようにする、心理的な基盤のことを指します。この基盤によって子どもは必要に応じて愛着対象に戻り、安心感を回復することができるため、文字通りの「家」の中だけでなく、愛着対象がいる安心できる環境全般を指します。
3→これはアタッチメントの定義に反します。ボウルビィによれば、アタッチメントは乳幼児が特定の人物(例えば世話をする母親など)との間に築く情緒的な結びつきのことであり、不特定の他者との間には通常アタッチメントは形成されません。子供の発達においては、信頼関係が確立された特定の愛着対象への強い絆が見られることが一般的です。
4→ボウルビィが説明する分離時の反応には三段階がありますが、「絶望の段階(despair)」は第二段階です。第一段階は「抗議の段階(protest)」で、子どもは愛着対象の離れていくことに対して怒りや不安を表現し、愛着対象の復帰を懇願します。絶望の段階においては、子どもは分離に抗うことを諦め、落ち込んだり無気力になったりすることがあります。