な、なすだ先生!さっき看護師さんが手術後の患者さんの人工呼吸器からの離脱やドレーンの抜去をしていったんです!看護師がやっていいことになったんですか!?
その人は診療看護師さんだと思うよ!診療看護師の資格を取れば、幅広い診療行為をすることができるんだ。
へぇ~!かっこいいですね~!普通の看護師さんとどういった違いがあるのか詳しく知りたいです!
それでは今日は診療看護師の概要や資格取得の流れ、一般の看護師さんとの違いなどを紹介していくよ!
診療看護師について
診療看護師ってどんな資格?
診療看護師(NP)とは、大学院修士課程で医学に関する知識や、特定の医療業務に関する実践を学んだ看護師のことです。
2023年12月1日現在、759名の診療看護師が活躍中です。
医行為には、医師のみが行える「絶対的医行為」と、医師の指示のもと看護師が行える「相対的医行為」があります。
診療看護師は看護師としての業務に加えて、相対的医行為も行える医療人材です。
診療看護師導入の主な目的は、チーム医療の円滑化や地域包括ケアの促進だよ!一般的な看護業務のほか、診療看護師は以下のような業務も行えるんだ!
・問診・初期診療・検査などの相対的医行為
・クリニカルパスやリハビリプランなど医療計画の作成
・医師と看護師との連携役
・看護職員の教育・人材育成
診療看護師は手順書に基づき、以下の21区分38行為の特定行為を行えます。
特定行為区分の名称 | 特定行為 |
---|---|
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | 侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | |
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 | |
人工呼吸器からの離脱 | |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 気管カニューレの交換 |
循環器関連 | 一時的ペースメーカの操作及び管理 |
一時的ペースメーカリードの抜去 | |
経皮的心肺補助装置の操作及び管理 | |
大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 | |
心嚢ドレーン管理関連 | 心嚢ドレーンの抜去 |
胸腔ドレーン管理関連 | 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 |
胸腔ドレーンの抜去 | |
腹腔ドレーン管理関連 | 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。) |
ろう孔管理関連 | 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 |
膀胱ろうカテーテルの交換 | |
栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理)関連 | 中心静脈カテーテルの抜去 |
栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 | 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
創傷管理関連 | 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 | |
創部ドレーン管理関連 | 創部ドレーンの抜去 |
動脈血液ガス分析関連 | 直接動脈穿刺法による採血 |
橈骨動脈ラインの確保 | |
透析管理関連 | 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
脱水症状に対する輸液による補正 | |
感染に係る薬剤投与関連 | 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | インスリンの投与量の調整 |
術後疼痛管理関連 | 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 | |
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 | |
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 | |
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 | |
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | 抗けいれん剤の臨時の投与 |
抗精神病薬の臨時の投与 | |
抗不安薬の臨時の投与 | |
皮膚損傷に係る薬剤投与関連 | 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整 |
普通の看護師との違いは?
・診療看護師と一般的な看護師の違いは、医師のような診療行為を行えるかどうか
一般的な看護師は通常、看護ケアに従事しており、医師のような診療行為はできません。
診療看護師は、より医師に近い視点で患者さんに関わることができ、一定の範囲内の診療行為(特定行為)を行えます。
なるほど!だから私が見た看護師さんは人工呼吸器からの離脱やドレーンの抜去ができたんですね!
ちなみに医師のような診療行為を行うには、医師の指示や手順書(指示書)が必要なんだ!
「令和4年度 診療看護師(NP)活動実態調査報告」によると、診療看護師は8割以上が病院に勤務しています。
診療看護師になるには
診療看護師になるには、大学院のNP養成課程(2年間)を修了し、NP資格認定試験に合格する必要があります。
<診療看護師資格取得の流れ>
診療看護師取得までの期間・費用と取得するメリット
・大学院入学からNP教育課程修了まで2年間
・大学院 約200万円+受験料3万円+認定料1万円
大学院の費用は、2年間の学費・入学金・実習費などだよ。一般的な奨学金のほか、独自の奨学金や卒業者優遇制度などを利用できるケースもあるよ!
2024年1月現在、日本NP教育大学院協議会が認定するNP教育課程の大学院は18校です。
<診療看護師のメリット>
診療看護師に必要なスキル
診療看護師には以下の7つのスキルが求められます。
①包括的な健康アセスメント能力
②医療的処置マネジメント能力
③熟練した看護実践能力
④看護管理能力
⑤チームワーク・協働能力
⑥医療・保健・福祉システムの活用・開発能力
⑦倫理的意思決定能力
在宅医療や介護の現場でも、診療看護師のスキルを必要とされる場面があって、今後ますます活躍が期待されているよ!
診療看護師を目指すならナースタに相談
診療看護師について理解できたかな?
はい!具体的ですごく分かりやすかったです!
それは良かった!診療看護師の取得のためには、働いている看護師さんは職場の協力が不可欠だよ。まずは上司に相談してみてね!
でも私の病院で前に先輩が資格を取りたいから勤務を調整してほしいって言ったみたいなんですけど、人が少ないからできないって断られたみたいなんですよね…。
そうなんだね。でも本気で診療看護師の取得を目指すなら転職をするのもひとつの手だよ。資格取得を応援してくれる病院もあるんだ!
そうなんですか!?そこに行きたいけどどうやって探せばいいんですか?
それならナースタに相談してみよう!
自分で調べるのは大変…という看護師さんは転職エージェント「ナースタ」を活用しましょう!
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