【問題1:認知発達段階】
子どもが「お腹が痛いのは、昨日お母さんの言うことを聞かなかったからだ」というように、自分の行動と関係のない出来事を結びつけて考える「魔術的思考」がよく見られる時期はどれか。
選択肢1:感覚運動期
選択肢2:前操作期
選択肢3:具体的操作期
選択肢4:形式的操作期
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正解:選択肢2
選択肢1:感覚運動期(0〜2歳頃)× 不正解。
この時期は、見る・触る・舐めるといった「五感」と、手を動かすなどの「体の動き」で世界を理解する段階です。まだ「自分と外の世界」がはっきりと分かれていないため、病気の原因という複雑な因果関係を考える段階にはありません。
選択肢2:前操作期(2〜7歳頃)○ 正解。
言葉を覚え始めますが、まだ論理的ではありません。自分を中心に世界が回っていると考える(自己中心性)ため、「自分が悪いことをしたから病気という罰が当たった」といった、魔法のような結びつけ(魔術的思考)をします。
選択肢3:具体的操作期(7〜11歳頃)× 不正解。
小学校低学年〜中学年くらいです。この時期になると、目に見える具体的なものを使って論理的に考えられるようになります。「ばい菌が体に入ったから病気になる」という正しい因果関係を理解し始めるのはここからです。
選択肢4:形式的操作期(12歳以降)× 不正解。
中学生以降です。目に見えない抽象的な概念(免疫、遺伝、ストレスなど)や、「もし〜だったら」という仮説を立てて考えることができるようになります。
【問題2:発達段階と説明ツール】
入院する子どもに手術や検査の説明(プレパレーション)を行う際、ピアジェの「前操作期」にいる子どもへの対応として、最も適切なのはどれか。
選択肢1:文字だけの詳しい説明書を読んでもらう。
選択肢2:顕微鏡で実際の細菌を見せる。
選択肢3:人形や本物の医療器具に触れさせながら、ごっこ遊び形式で説明する。
選択肢4:数年後の健康状態について、統計データを用いて説明する。
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正解:選択肢3
【解説】
選択肢1:文字だけの詳しい説明書 × 不適切。
文字を完全に読みこなし、その内容をイメージできるのは「形式的操作期」以降です。前操作期の子どもには、言葉や文字だけの情報は難しすぎて不安を煽るだけになってしまいます。
選択肢2:顕微鏡で実際の細菌を見せる × 不適切。
前操作期の子どもは、顕微鏡で見えるミクロの世界と、自分の体の中で起きていることを結びつけるのがまだ苦手です。目に見えないものを論理的に繋げるのは「具体的操作期」以降になります。
選択肢3:人形や本物の医療器具を使う ○ 適切。
この時期の子どもは「ごっこ遊び」が大好きです。人形を患者さんに見立てて遊びを通して体験させることで、未知の恐怖を「知っていること」に変えて安心感を与えることができます。
選択肢4:統計データでの説明 × 不適切。
「100人中90人が治ります」といった確率や統計などの数学的・抽象的な概念を理解できるのは、中学生以降の「形式的操作期」です。
【問題3:身体の発達】
子どもの成長において、最も早く成人の大きさに近づく組織(スキャモンの発達曲線における神経系型)に関する記述で正しいのはどれか。
選択肢1:脳や脊髄などの神経系は、乳幼児期に急速に発達する。
選択肢2:リンパ組織(扁桃など)は、4歳で成人の100%に達する。
選択肢3:生殖器型(卵巣・精巣)は、一般型(身長)と同じリズムで成長する。
選択肢4:一般型(骨や筋肉)は、思春期に一度成長が止まる。
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正解:選択肢1
【解説】
選択肢1:脳や神経系の急速な発達 ○ 正解。
脳や神経は、生きていくための「司令塔」として最優先で発達します。4〜6歳で大人の約80%、12歳頃にはほぼ100%に達するのが特徴です。
選択肢2:リンパ組織の発達 × 不正解。
リンパ組織は、バイ菌と戦う力をつけるために、10〜12歳頃に「成人の約200%(2倍)」まで一度大きく発達し、その後、大人に向けて半分に減っていくという特殊な動きをします。
選択肢3:生殖器型の成長リズム × 不正解。
生殖器型は、小学生の間はほとんど成長せず、中学生頃(思春期)から急激に100%に向かって立ち上がります。一般型(身長など)とは全く異なるS字のようなカーブを描きます。
選択肢4:一般型の成長の止まり × 不正解。
一般型(身長・筋肉など)は、思春期に「成長のスパート(急成長)」が起こります。止まるのではなく、むしろ生涯で二番目に激しく成長する時期(第二次発育急進期)です。

【問題4:愛着(アタッチメント)理論】
ボウルビィが提唱した愛着(アタッチメント)理論に関する記述で、正しいのはどれか。
選択肢1:愛着対象と離れたとき、最初に現れる反応は「絶望」である。
選択肢2:特定の養育者との間に築かれる情緒的な絆を「愛着」という。
選択肢3:人見知りは、周囲の人間を誰でも怖がっている状態である。
選択肢4:安全基地とは、子どもが一人で遊ぶための専用の部屋のことである。
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:離れたときの最初の反応 × 不正解。
愛着のある人と離されたとき、子どもはまず激しく泣き叫んで呼び戻そうとします。これは「抗議(抵抗)」の段階です。その後に元気がなくなる「絶望」、そして「脱愛着(諦め)」へと進みます。
選択肢2:情緒的な絆 ○ 正解。
愛着(アタッチメント)とは、特定の大人(主にお母さんや保護者)との間に作られる「この人は絶対に自分を守ってくれる」という心の深い結びつきのことです。
選択肢3:人見知りの正体 × 不正解。
人見知りは、特定の愛着対象を「特別な人」だと認識できている証拠です。「特別な人」と「それ以外の人」の区別がついたからこそ起こる、知能の発達を示す健全なステップです。
選択肢4:安全基地の意味 × 不正解。
物理的な場所のことではなく、信頼できる大人のことを指します。「お母さんが見守ってくれているから、安心して外の世界へ冒険に行こう」と思える心理的な支えのことです。
【問題5:基本的生活習慣】
幼児の生活習慣の発達で、2歳から3歳にかけて一般的にできるようになることはどれか。
選択肢1:衣服のボタンをすべて一人で留め外しする。
選択肢2:箸を正しく持って、豆を掴む。
選択肢3:スプーンを上手に使い、自分で食事ができる。
選択肢4:時計を見て「○時だから片付けよう」と判断する。
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正解:選択肢3
【解説】
選択肢1:ボタンの留め外し × 不正解。
小さなボタンを穴に通す作業は、かなり高度な指先のコントロールが必要です。これが一人でスムーズにできるようになるのは、一般的に3歳ごろから4歳〜5歳頃までにはスムーズになります。
選択肢2:箸を使いこなす × 不正解。
箸はスプーンよりもさらに複雑な動きを必要とするため、3歳過ぎから練習を始め、4〜5歳頃に習得するのが一般的です。2歳頃はまだスプーンやフォークが主役です。
選択肢3:スプーンで食べる ○ 正解。
1歳半から2歳頃にかけて、手づかみ食べからスプーンを使って自分で食べるようになります。3歳になる頃には、こぼさずに自分の力で食事ができるようになります。
選択肢4:時計を見て判断する × 不正解。
時間の概念を理解し、時計の針を読んで自分の行動をコントロールできるようになるのは、小学校入学前後の5.歳頃からです。
【問題6:小児のストレスと発達段階】
入院による環境の変化が小児に与える影響について、発達段階との組合せで正しいのはどれか。
選択肢1:身体の拘束への苦痛 ─── 新生児期
選択肢2:母親などの養育者からの分離不安 ─── 乳児期・幼児期
選択肢3:身体の損傷や去勢への不安 ─── 学童期
選択肢4:死への恐怖と疾患の予後への不安 ─── 幼児期
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:身体の拘束への苦痛 × 不正解。
新生児期よりも、自分の意思で身体を自由に動かしたい欲求が強くなる乳幼児期(特に幼児期)以降に、点滴固定などの身体拘束によるストレスが顕著になります。
選択肢2:母親などの養育者からの分離不安 ○ 正解。
特定の養育者との愛着形成がなされる乳児期後半から幼児期にかけて、入院に伴う親との分離は最大のストレス因子となります。
選択肢3:身体の損傷や去勢への不安 × 不正解。
自分の身体のイメージが形成され、身体の欠損を恐れるようになるのは「幼児期後期(3〜6歳頃)」に特徴的な不安です。
選択肢4:死への恐怖と疾患の予後への不安 × 不正解。
死を不可逆的なものとして理解し、病気の予後(将来どうなるか)に強い不安を感じるのは、認知能力が発達した「思春期」以降に顕著となります。
【問題7:小児の成長・発達の指標】
健康な乳幼児の身体的・機能的な発達に関する記述で正しいのはどれか。
選択肢1:体重は生後3〜4か月で出生時の約2倍になる。
選択肢2:身長は生後1年で出生時の約2倍になる。
選択肢3:大泉門は生後6か月までに閉鎖する。
選択肢4:乳歯は生後3か月頃から生え始める。
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正解:選択肢1
【解説】
選択肢1:体重の変化 ○ 正解。
乳児の体重は、生後3〜4か月で約2倍、1歳で約3倍になるのが標準的な発育の目安です。
選択肢2:身長の変化 × 不正解。
身長は生後1年で約1.5倍(約75cm)になります。2倍(約100cm)に達するのは、4歳頃です。
選択肢3:大泉門の閉鎖 × 不正解。
大泉門は通常、生後1歳〜1歳6か月(12〜18か月)頃に閉鎖します。6か月ではまだ開いているのが正常です。
選択肢4:乳歯の萌出 × 不正解。
乳歯(下の前歯)が生え始めるのは、生後6〜7か月頃が一般的です。3か月ではまだ早い時期です。
【問題8:1歳児の身体発育】
1歳0か月児の健康診査において、標準的な発育の目安として適切な組合せはどれか。
選択肢1:55cm ――― 6kg
選択肢2:75cm ――― 6kg
選択肢3:75cm ――― 9kg
選択肢4:100cm ――― 9kg
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:55cm ――― 6kg × 不正解。
出生時(50cm/3kg)からあまり成長していない数値であり、不適切です。
選択肢2:75cm ――― 9kg ○ 正解。
1歳児の標準値は「身長約75cm(出生時の1.5倍)」「体重約9kg(出生時の3倍)」です。これは国家試験の必須知識です。
選択肢3:90cm ――― 9kg × 不正解。
身長が高すぎます。体重は正解。
選択肢4:100cm ――― 9kg × 不正解。
身長100cmは4歳児相当、体重9kgは1歳児相当であり、バランスが不適切です。
【問題9:子どもの遊びの発達】
乳幼児期の遊びの形態とその特徴に関する記述で正しいのはどれか。
選択肢1:1歳代では、他児と同じ場所で別々に遊ぶ「平行遊び」が中心である。
選択肢2:3歳代では、ままごとなどの「ごっこ遊び」が盛んになる。
選択肢3:学童期から見られるルールのある遊びを「感覚遊び」と呼ぶ。
選択肢4:テレビの長時間視聴は乳児の言語発達を促す。
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:1歳代の遊び × 不正解。
1歳代は、一人で自分の世界に没頭して遊ぶ「一人遊び」が中心です。「並行遊び」は2歳代に特徴的です。
選択肢2:3歳代の遊び ○ 正解。
3歳頃になると想像力が豊かになり、何かに見立てて遊ぶ「ごっこ遊び(象徴遊び)」が盛んになります。
選択肢3:感覚遊びの定義 × 不正解。
「感覚遊び」とは、生後すぐから見られる、音や感触を楽しむ遊び(ガラガラなど)を指します。ルールのある遊びは「協同遊び」に含まれます。
選択肢4:テレビ視聴と言語発達 × 不正解。
テレビの長時間視聴は、相互的なコミュニケーションを妨げるため、乳児の言語発達を遅らせる可能性があると指摘されています。
【問題10:3歳児の排泄行動】
3歳児の発達段階において、一般的に可能となる排泄行動はどれか。
選択肢1:夜尿(おねしょ)を全くしなくなる。
選択肢2:排便後の肛門の始末(拭き取り)を一人で完璧にできる。
選択肢3:トイレに行きたいことを伝え、行くまで排尿を我慢できる。
選択肢4:遊びに夢中になっても排尿の失敗が完全になくなる。
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正解:選択肢3
【解説】
選択肢1:夜尿の消失 × 不正解。
夜間の排尿自立には個人差が大きく、5歳頃まで続くことも珍しくありません。3歳ではまだ夜尿があるのが一般的です。
選択肢2:排便後の後始末 × 不正解。
2歳後半から3歳でふき取りの練習をスタートする時期です。排便後の拭き取りが一人で確実にできるようになるのは、手指の巧緻性が高まる4〜5歳頃です。
選択肢3:尿意の自覚とコントロール ○ 正解。
3歳頃になると尿意を自覚し、それを言葉で伝えたり、トイレに行くまで一定時間排尿を我慢したりできるようになります。
選択肢4:排尿の失敗 × 不正解。
3歳児はまだ集中すると尿意を忘れてしまうことがあり、遊びに夢中になっている時の失敗は起こり得ます。
【問題11:乳児のバイタルサイン】
生後6か月の乳児において、安静時の測定値が正常範囲を「逸脱」しているのはどれか。
選択肢1:体温 37.2 ℃
選択肢2:呼吸数 35 回/分
選択肢3:心拍数 70 回/分
選択肢4:血圧 90/60 mmHg
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正解:選択肢3
【解説】
選択肢1:体温 ○ 正常。
乳幼児は代謝が活発で大人より体温が高く、37.0℃前後は正常範囲内です。
選択肢2:呼吸数 ○ 正常。
乳児の安静時呼吸数は「30〜40回/分」程度であり、35回は正常です。
選択肢3:心拍数 × 異常(逸脱)。
乳児の安静時心拍数の基準値は「100〜120回/分」程度です。70回/分は乳児にとっては徐脈であり、異常です。
選択肢4:血圧 ○ 正常。
乳児の血圧は「80〜90 / 50〜65 mmHg」程度であり、正常範囲内です。
【問題12:6か月児の発達(デンバーⅡ)】
日本版デンバーⅡ(発達判定法)において、生後6か月児の90%以上が可能となる項目はどれか。
選択肢1:寝返りをする。
選択肢2:支えなしで座る。
選択肢3:積み木を片手から他方の手へ持ちかえる。
選択肢4:自分一人でコップを持って飲む。
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正解:選択肢1
【解説】
選択肢1:寝返り ○ 正解。
寝返りは、生後6か月児の90%以上ができる項目に含まれます(平均的には5か月頃に達成します)。
選択肢2:支えなしで座る × 不正解。
支えなしで座れる(腰がすわる)ようになるのは、7か月頃です。6か月時点では90%には達しません。
選択肢3:積み木の持ちかえ × 不正解。
積み木を一方の手からもう一方の手へ持ちかえるのは、平均7〜8か月頃の発達課題です。
選択肢4:コップ飲み × 不正解。
自分でコップを持って飲むのは、1歳前後の発達課題です。
【問題13:4か月児の乳児健康診査】
4か月児の健康診査において、発達を確認するための質問内容として最も適切なのはどれか。
選択肢1:「あやすとよく笑いますか」
選択肢2:「首はしっかりすわっていますか」
選択肢3:「寝返りをしますか」
選択肢4:「アーアー、ウーウーなど声を出しますか」
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:あやすと笑う × 不正解。
あやすと笑う(社会的微笑)は、生後2〜3か月頃の指標です。4か月健診でも確認しますが、最優先事項ではありません。
選択肢2:首のすわり ○ 正解。
4か月児健診において最も重要な確認項目は「頸定(首のすわり)」です。この時期に首がすわっていない場合は精査が必要になります。
選択肢3:寝返り × 不正解。
寝返りは5〜6か月頃の指標であり、4か月時点ではまだできなくても正常です。
選択肢4:声出し(喃語) × 不正解。
喃語の発現は2か月頃から見られます。4か月健診でも確認しますが、首のすわりの方が発達段階の判断として優先順位が高いです。
【問題14:幼児の基本的生活習慣】
幼児が自立して行う生活習慣と、その時期の組合せで正しいのはどれか。
選択肢1:うがいができる ─── 1歳
選択肢2:スプーンを使って自分で食べる ─── 2歳
選択肢3:ボタンを全て自分でかけられる ─── 2歳
選択肢4:箸を正しく使って食事をする ─── 3歳
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:うがい × 不正解。
「ぶくぶくうがい」ができるようになるのは、2歳〜3歳頃です。1歳ではまだ水を飲み込んでしまいます。
選択肢2:スプーンの使用 ○ 正解。
2歳頃になると、手首や手指の使い方が上手になり、スプーンを使って自分で食べられるようになります。
選択肢3:ボタンかけ × 不正解。
小さなボタンを自分でかけられるようになるのは、微細運動が発達する4歳頃です。
選択肢4:箸の使用 × 不正解。
箸を正しく使えるようになるのは4歳〜5歳頃です。3歳ではまだ練習段階です。
【問題15:新生児の生理的所見】
生後3日の新生児において、生理的な範囲(正常)として判断されるのはどれか。
選択肢1:体重が出生時より15%減少している。
選択肢2:皮膚や眼球結膜が黄色くなっている。
選択肢3:安静時の呼吸数が1分間に80回である。
選択肢4:生後72時間を経過しても胎便(黒緑色便)が出続けている。
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:体重減少 × 不正解。
生理的体重減少の正常範囲は出生体重の「3〜10%」以内です。15%の減少は脱水などの異常を疑います。
選択肢2:生理的黄疸 ○ 正解。
生後2〜3日から現れ、4〜5日でピークとなる黄疸は「生理的黄疸」と呼ばれ、新生児に見られる正常な経過です。
選択肢3:呼吸数 × 不正解。
新生児の正常な呼吸数は「40〜60回/分」です。80回/分は多呼吸であり、何らかの呼吸障害を疑います。
選択肢4:胎便の持続 × 不正解。
胎便(黒緑色の便)は通常、生後24〜48時間以内に排泄し終わり、黄色味を帯びた「移行便」へと変化します。3日を過ぎても胎便のみの場合は、消化管の通過障害を疑います。
【問題16:児の免疫機能】
乳児の免疫獲得と変化に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢1:胎盤を通じて母体からIgGが移行する。
選択肢2:胎盤を通じて母体からIgMが移行する。
選択肢3:母乳(特に初乳)には分泌型IgAが多く含まれる。
選択肢4:血中の免疫グロブリン濃度は生後12か月頃に最も低くなる。
選択肢5:児の血中IgG濃度は1歳で成人と同じレベルに達する。
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正解:選択肢1、選択肢3
【解説】
選択肢1:胎盤を通じた免疫 ○ 正解。
免疫グロブリンの中で、分子量が小さいIgGのみが胎盤を通過し、母体から胎児へと移行します。
選択肢2:胎盤を通過するIg × 不正解。
IgMやIgAは分子量が大きいため、胎盤を通過することができません。出生直後の新生児の血中にIgMが高値である場合は、胎内感染が疑われます。
選択肢3:母乳の免疫 ○ 正解。
初乳には分泌型IgAが豊富に含まれています。これは乳児の消化管粘膜に付着し、病原体の侵入を防ぐ「局所免疫」として重要な役割を果たします。
選択肢4:免疫の空白期 × 不正解。
母体由来のIgGが消失し、児自身の産生がまだ不十分な「生後3〜6か月頃」に、血中の免疫グロブリン濃度は一生のうちで最も低くなります。
選択肢5:成人レベルへの到達時期 × 不正解。
IgGが成人のレベルに達するのは「6歳頃(学童期)」です。 IgAはさらに遅く、10〜12歳頃(思春期)に成人レベルに達します。
【問題17:ネフローゼ症候群の看護とステロイド治療】
ネフローゼ症候群と診断され、副腎皮質ステロイド薬による治療を開始した学童期の児への看護で適切なのはどれか。
選択肢1:食欲不振が起こるため、嗜好品を積極的に勧める。
選択肢2:易感染状態となるため、手洗いやうがいの徹底を指導する。
選択肢3:ムーンフェイス(満月様顔貌)は一生治らないと説明する。
選択肢4:蛋白尿を改善するため、高タンパクな食事を勧める。
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正解:選択肢2
【解説】
選択肢1:食欲の変化 × 不正解。
ステロイドの副作用により、食欲は「亢進(増進)」しやすくなります。過食による肥満や中心性肥満に注意が必要です。
選択肢2:易感染状態への対策 ○ 正解。
免疫抑制状態となるため、手洗い・うがいの徹底が不可欠です。また、発熱などの異常時はすぐに受診することや、水痘・麻疹などの感染症に曝露しないよう注意喚起を行います。
選択肢3:副作用の説明 × 不正解。
ムーンフェイスは、薬の減量や中止に伴って改善する一時的な症状です。児のボディーイメージの低下に配慮し、改善することを伝えて不安を軽減します。
選択肢4:食事療法 × 不正解。
現在は、腎臓への負担を軽減するため、過度な高タンパク食は避けることが一般的です。
【問題18:ネフローゼ症候群の検査データと食事制限】
Aちゃん(11歳、女児)は、全身の浮腫と著明な蛋白尿を認め、特発性ネフローゼ症候群と診断された。検査結果は、血清アルブミン 、血清総コレステロール であった。入院安静となったAちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。
選択肢1:ナトリウム(食塩)
選択肢2:カリウム
選択肢3:蛋白質
選択肢4:水分
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正解:選択肢1
【解説】
選択肢1:ナトリウム(食塩) ○ 正解。
低アルブミン血症(正常は 以上)により強い浮腫が生じている急性期には、ナトリウム(食塩)の制限が必須です。
選択肢2:カリウム × 不正解。
腎不全を合併し、排泄障害がある場合を除き、ネフローゼ症候群のみでカリウムを厳格に制限することは通常ありません。
選択肢3:蛋白質 × 不正解。
以前は蛋白漏出分を補うための高タンパク食が推奨されましたが、現在は腎負荷軽減のため、制限も推奨もせず「年齢相応の標準量」を摂取します。
選択肢4:水分 × 不正解。
重度の浮腫や乏尿がある場合には制限を検討しますが、まずはナトリウム制限が優先されます。
【問題19:新生児期の反射】
出生直後の新生児において、正常であれば認められる反射はどれか。2つ選べ。
選択肢1:パラシュート反射
選択肢2:バビンスキー反射
選択肢3:モロー反射
選択肢4:ランドー反射
選択肢5:ホッピング反応
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正解:選択肢2、選択肢3
【解説】
選択肢1:パラシュート反射 × 不正解。
身体のバランスを崩した時に手をつく防御反応で、生後7〜9か月頃に出現し、生涯持続します。
選択肢2:バビンスキー反射 ○ 正解。
足の裏を刺激すると親指が背屈する反射で、出生時から認められ、歩行が始まる2歳頃までに消失するのが一般的です。
選択肢3:モロー反射 ○ 正解。
大きな音などの刺激に反応して腕を広げ、抱きつくような動作をする反射で、出生時から認められ、生後4か月頃までに消失します。
選択肢4:ランドー反射 × 不正解。
水平に吊り下げると頭を上げ、背を反らせる姿勢反射で、生後3〜6か月頃に出現します。
選択肢5:ホッピング反応 × 不正解。
立たせた状態でバランスを保とうとする反応で、生後15~18か月に出現します。
【問題20:生後10か月の神経発達】
生後10か月の健康な乳児において、通常、消失している反射と、みられる反応の組合せで正しいのはどれか。
選択肢1:消失:パラシュート反応 ─── 出現:モロー反射
選択肢2:消失:バビンスキー反射 ─── 出現:把握反射
選択肢3:消失:吸啜反射 ─── 出現:緊張性頸反射
選択肢4:消失:緊張性頸反射 ─── 出現:パラシュート反応(防御伸展反応)
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正解:選択肢4
【解説】
選択肢1:反射の前後 × 不正解。
モロー反射は消失(4か月頃)し、パラシュート反応は出現(7〜9か月頃)するため、説明が逆です。
選択肢2:消失時期 × 不正解。
把握反射(手に触れると握る)は生後4か月頃までに消失します。バビンスキー反射は10か月時点ではまだ見られることがあります。
選択肢3:反射の性質 × 不正解。
緊張性頸反射(顔を向けた方の手足が伸びる)は生後4〜6か月頃までに消失します。吸啜反射は離乳に伴い消失します。
選択肢4:消失と出現の整合性 ○ 正解。
原始反射である緊張性頸反射などは、姿勢反射が発達する生後4〜6か月頃までに消失します。一方、7〜9か月頃に出現する「パラシュート反応(防御伸展反応)」は10か月時点でも認められ、生涯持続します。
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